2010年12月26日

Interim Presentation 2010

クリスマスイブの24日、朝から夕方まで1日かけて研究グループの中間発表会がおこなわれました。お隣の道奥教授の研究グループと合同開催です。

今年度、わたしの研究グループでは博士前期課程(修士課程)が2人、学部の4年生が3人、合計5人の学生が修了および卒業を目指しています。

この中間発表会では、今までの研究活動の途中経過がそれぞれに報告されました。進度は人によってまちまちですが、これからの追い込みによって立派な成果が期待できるものが多かったと思っています。

まずは論文締切まで緊張が続くと思いますが、是非とも頑張っていいものを仕上げてもらいたいですね!

写真は、その夜に行われた中間発表打上げ+忘年会での集合写真です。

2010年11月1日

A Field Trip for Freshmen

先週の金曜日、市民工学科の一年生といっしょに学外見学に出かけてきました。今年度、わたしは教務・学生担当になっていますので、そのお役目の一環です。

今年の学外見学会は、新湊川JCT、三木防災公園、E-ディフェンス、加古川上流浄化センター、東播磨南北道路と、非常にバラエティに富んで豪華なものになりました。兵庫県のまちづくり技術センターさんのお世話になりました。

一年生にとっては、高校での一般的な教育から専門的な市民工学への橋渡しの見学会です。いろいろと見聞きし、おおくを体感できていることを期待します。

彼ら・彼女らにとってはこれから、専門基礎の教育がはじまります。基礎部分はかなり難しく感じることがあるかもしれませんが、一歩一歩、着実に身につけていってほしいと願っています。

2010年10月10日

October, 2010

10月、神無月(かんなづき)になりました! 大学では後期の講義がはじまりましたね。

夏の疲れが出たのか、9月の終りから少し体調を崩してしまいました。わたしとしては本当に久しぶりの熱で、ゆっくりできたと思っています。今ではだいぶ復調してきましたが、少しまだ喉がムズムズしています。

季節の変わり目で、朝夕の気温の変化がおおきくなっていますね。みなさんもくれぐれも体に気をつけてください。

さて、今月の目標です。【リズム】にしたいと思います。

2010年9月29日

September 2010

9月、長月(ながつき)もおわりですね! 暑さがすっかりと和らいできて、ずいぶんと過ごしやすくなってきました.

この9月は北海道、東京、揖保川、とつづき、後半は明日が締切りの原稿を書いていました.アッという間の一カ月でした.

右の写真は揖保川の朝焼けです.水面が鏡面になり、雲や山を映し出していて、とてもきれいで思わずカシャ.

これまで少し緊張続きでしたので、明日はゆっくりとした心持ちで、研究室のみんなと原稿投稿の打ち上げをしようと思っています.

2010年8月28日

Miya River

8月21~22日の2日間、研究グループ恒例の夏のゼミ旅行で三重県の宮川流域を訪れました。

河川を中心に【流域の環境】を研究対象とするわたしたちの研究グループでは、毎夏、いろいろな河川にでかけて流域を満喫しています。

宮川は、流域面積が920km2、幹川延長が91kmの一級水系で、大台ケ原を水源にして伊勢市で伊勢湾に流れ込む清流です。国土交通省が実施する一級河川の水質調査(BOD基準)では4年連続一位とのことでした。

このたびは一日目に伊勢神宮と夫婦岩をまわり、二日目には宮川の川下りを楽しみました。宮川の川面からみえる流域の情景や川の流れの感覚はとても新鮮で、違った角度から河川や流域に想いを馳せることができました。

なんでもインターネットで情報が得られる便利な時代ですが、このような感覚は机上のみでは得られず、生の現場を体感することが大切だと感じました。

2010年8月13日

Abnormal Weather

ロシアでの森林火災、中国甘粛省の土石流・地滑り被害、パキスタンの洪水被害など、このところユーラシア大陸の多くの場所で異常気象による災害が続いています。

今年は例年よりもアジアモンスーンの活動が活発で、このパキスタンをはじめ、インドネシア、中国北東部などで降水量が非常に多くなっているようです。


右の写真は、Earth Observatoryの記事に出ていた洪水時のパキスタンのMODIS衛星画像です。大雨によってインダス川の河道が大きく膨らんでいるのが分かると思います。ロイターによるとパキスタンの洪水被害は激甚で、ユニセフは8月3日、被災者が300万人以上、犠牲者は1400人にのぼることを発表したとのことです。

日本もこれから台風の季節になります。想像以上の激しい風雨になる可能性も充分に考えられますので、わたしたち一人ひとりがしっかりとした自覚をもって、安心・安全に台風シーズンを乗りきりたいものです。

2010年8月11日

August, 2010

8月、葉月(はづき)になりました! 暑い日々が続きますね。

夏休みに入ってすぐに、家族で鬼怒川(きぬがわ)流域を旅する機会がありました。右の写真は鬼怒川の景勝地、龍王峡のワンショットです。

鬼怒川は、利根川支川のなかで最も大きい河川で、幹川延長が約170km、流域面積が1,760km2となります。わたしたちが河川観測でよく訪れる加古川が延長96km、流域面積1,730km2ですので、鬼怒川はほぼ同じサイズで、加古川よりもすこし細長い形になりますね。

この鬼怒川が利根川の支川になったのは江戸時代初期で、徳川家康の利根川東遷事業によるものだそうです。この東遷は、江戸のまちの排水性を高めて水害から人々を守り、さらに関東平野での新田開発や舟運を活性化させるための「瀬替え」事業でした。その後の江戸・東京の発展に繋がっていく、大切な社会的共通資本の整備事例だといえます.

さて、この月のテーマは【基本にかえる】にしたいと思います。暑い夏が続きますが、ばてないように頑張りたいと思います。

2010年7月26日

Kako River Vegetation, July 2010

先週の土曜日、加古川の植生調査に出かけました。植生動態のの研究課題を担当する盛岡君、木村君、そして共同研究をおこなっている道奥研究グループ、神田研究グループ、国土交通省姫路河川国道事務所のみなさんと一緒です。

このたびは、5月にあった出水がヤナギや竹林など河道内植生に影響を及ぼしているかどうかを踏査しました。また、流速計H-ADCPの周りの草刈りを行いました。

この5月の出水ではある程度の土砂輸送があって砂州形状が変化していましたが、ヤナギなどの樹木植生にはほとんど影響がなかったようです。

この写真で見る観測サイトは流水が写りたいへん涼しそうですが、現実は猛暑のなかの観測でした。参加した研究グループのみなさん、大変お疲れさまでした。次回は9月下旬もしくは10月上旬に調査に出かける予定です。

2010年7月23日

Visualization Conference 2010

7月20-21日の二日間、東京の工学院大学で開かれている可視化情報シンポジウムに参加しました。このたびは、「ウェーブレットと知的可視化の応用Ⅰ」というセッションのオーガナイザーでした。

このウェーブレットは多重構造をもつ信号や画像などのデータ解析に大変つよく、わたしも少しまえまで河川乱流の解析に使用していました。いろいろな分野で広範に利用されるとても便利な解析ツールです。

この可視化情報学会は、主に流れの可視化技術を中心課題として発展してきた学会ですが、最近は可視化というキーワードを軸に学際的に発展していっているようです。このように、いろいろな学術分野の話題を聞くと脳によい刺激になるようですね。わたしも、これまでとても難しいと思っていた課題が別の角度からアプローチできて、比較的簡単に解決できた体験が少なからずあります。

わたしたちの【流域環境】の研究課題もできるだけいろいろな角度から検討し、将来世代に継承し得る流域環境や社会基盤整備のあり方を是非とも提案していきたいものです。

2010年7月12日

River Basin Observation in July 2010

この土日の二日間、今年度二回目の流域観測に揖保川へでかけました。この研究課題を担当する前羽君、浦野君といっしょです。

揖保川は兵庫県南西部を播磨灘へ流れ込む、流域面積が約810km2、幹川延長が約70kmの一級河川です。

このたびは梅雨の最中ということもあって日曜は雨となり、流域上流の観測は次回への持ち越しとなりました。

右の写真は、流域中流にある水温観測ポイント周辺のスナップショットです。青々とした稲田とそれを支える河川の流れがワンフレームに収まっていて、とても印象的でした。

さて、次回の観測は9月です。このたび足を運べなかった上流域を中心に観測する予定です。

2010年7月2日

July, 2010

はやいもので7月、文月(ふみづき)です。2010年も半分過ぎて、後半戦の始まりですね。

依田高典さん(行動経済学 ~感情に揺れる経済心理、中公新書、2010)によると、時間には物理的時間と心理的時間があるとのことです。これは、人のうける刺激と知覚の関係が対数関数で表されることと関連していて、この対数関係はウェーバー・フェヒナーの法則と呼ばれるそうです。

たとえば時間が4・8・16年と過ぎても、感覚的には2・3・4倍程度にしか感じないとのことです。

どおりで30代が過ぎるのが、それまでに比べて早かったこと。妙に納得するとともに、今後の心理的時間の進み方が案じられました。

さて今月のテーマですが、【継続】にしたいと思います。

2010年6月21日

The Rainy Season

気象庁の発表によると近畿では先週の日曜、6月13日頃に梅雨入りしたとのことです。平年は6月 6日頃とのことですので、約7日遅い入梅です。これからの季節、湿度の高い日々が続きますね。

この長雨は、飲料水や生活用水、水田などの農業用水、工業用水など、わたしたちが生きていくため欠かせない大切な水資源を日本列島にもたらします。ですので全く雨が降らず空梅雨になると、夏の水不足を心配することになります。
 
しかしながら、雨が一気にドカッと降ってきても大変困ることになります。豪雨水害です。神戸では、一昨年に都賀川でゲリラ豪雨による水難事故がありました。また古くには、1938年7月3~5日にかけての豪雨で阪神大水害がおこっています。余談になりますが、この阪神大水害は谷崎潤一郎の長編小説「細雪」でも詳細に描写されていることで有名ですね。
 
雨が降り続くこの梅雨の季節、このような豪雨による水害・水難事故には、十分に気をつけなければなりません。危ないと感じたら適確に避難行動ができるように、日頃からの訓練や心構えが重要になります。
 
近畿では、平年7月19日頃に梅雨明けだそうです。 いまから夏が待ち遠しいですね。

2010年6月18日

Lost & Found

今週のはじめ、いつも使っているUSBメモリが見当たらないのにハッと気づきました。

それからが大変。先週末の記憶をたどりつつ、研究室や事務室、会議室を行ったり来たり。自宅の妻に電話して、机のまわりから洗濯物まで家中を探してもらい、挙句には、警察、通勤に使う電車の忘れもの係まで問い合わせてもらいました。

ほぼ一日中探して疲れがピーク近くになった頃、大学の育友会行事があった土曜日に、研究室前にあるオープンスペースの鏡前でネクタイを締めなおしたのを思い出しました。早速行ってみると、鏡の前にUSBが! ホッと一安心です。妻にそそっかしいことを怒られたのは言うまでもありません。井上揚水の「夢の中へ」の出だしが頭の中でリフレインしていました。

みなさんもこのような経験、一度はあるのではないでしょうか? 気忙しいとポカッと一瞬記憶がとぶので、十分に気をつけたいと思います。

2010年6月6日

WED

6月5日は世界環境デー(World Environment Day)でした。

この世界環境デーは、1972年に国連総会で制定され、1973年からスタートしたとのことです。毎年、いろいろな都市がさまざまなテーマでホストを務めており、今年はルワンダ共和国の首都キガリがホストで、テーマは "Many Species. One Planet. One Future." です。日本は1999年に東京がホスト都市になり、"Our Earth - Our Future - Just Save It!"というテーマで開催されたようです。

さまざまなスケールでの環境課題と、人々の暮らしの安全・安心をより良く調和させるには、まったく新しい考え方や違った角度からのアプローチが必要のように強く感じます。わたしたちの研究グループでは、テーマである【流域環境】の研究課題に対して、既成概念にできるだけ捕らわれることなく素直にものごとを解釈しながら、課題解決へのアプローチを考究していきたく考えています。

さて、今月、水無月(みなづき)のテーマですが、【コンパクトに行動する】にしたいと思います。

2010年5月31日

Sannomiya Station

先週の土曜日、私たちの学部に入学してきた一年生22人と一緒に現場見学会に参加してきました。市民工学概論という授業の一コマです。

このたびは、神戸市のみなと総局と阪神電鉄のみなさんにお世話になり、神戸のwater front 事業と阪神三宮駅の改修工事を見て歩きました。

写真は三宮駅前の2号線直下にある地下改修現場のワンショットです。まさにこの下が、現在も供用中の阪神三宮駅です。このアーチ上の天井は昭和9年につくられたものだそうです。

インターネットやテレビなどから得られる二次情報と違って、このようにナマの現場を見ることは大変勉強になります。おそらく状況を全身で体感できるからでしょう。 フレッシュな一年生の皆さんも、いろいろと感じるところが多かったのではないかと思います。

2010年5月20日

Rubin's Vase

NHKの大河ドラマ、なぜか習慣みたいになっていて毎年楽しく見ています。今年は【龍馬伝】ですね。先週、武田鉄矢ふんする勝海舟が維新攘夷を例にして、ものごとは見方によって評価がかわることを力説するシーンがありました。

このような物事の二面性・多面性は、だまし絵のルビンの壷茂木健一郎さんのアハ体験などでも同じように実感できて、いつも大変興味深くおもっています。アハ体験はとくに面白く、ジーッと目を凝らしてみてもほとんどが認識できないのですが、一旦気づくと、もうその見方に慣れて、すぐに認識できるようになりますね。

わたしたちが鋭意進める【流域環境】の研究でも、同じような【気づき】を与える成果を是非とも得たいものです。わたしたちが未だ認識していない新たな視点を提供して、将来世代の持続的発展につなげていければよいと考えます。

2010年5月5日

May, 2010

5月になりました! このゴールデンウェーク、わたしは家族と一緒に1泊2日で由良川源流の旅に出かけました。

由良川は、丹波高地の三国岳(959m)を水源にして日本海の若狭湾に流れでる、延長146km、流域面積1,882kmの一級河川です。

このたびはガイドさんつきのツアーに参加して、京都大学芦生研究林のなかにある水源を目指しました。ツアーといっても、わたしたち家族だけのパーティーです。

水源への道中では、川の水を使ったおいしいコンソメスープとパン、鹿肉をランチとしていただきました。ガイドさんの話では鹿の食害がかなりあり、周辺の森林植生を経年的に変化させているとのことでした。

右は水源周辺の写真です。そこからにじみ出る水はたいへん冷たく、谷をすこし降ると水流がはっきりとします。当日は大変天気がよくひじょうに爽快で、山道や水源を十分に堪能できました。

このような源流や上流域からの水を集めて川は段々と大きくなっていき、河口に達します。この水循環における陸域のいりぐちの一つを体感できて、大変有意義で楽しい旅でした。

さて、今月のテーマですが、この5月は【のりきる】にしたいと思います。

2010年4月28日

River Basin Observation in April 2010

先週の土曜と日曜,揖保川流域に定期観測に出かけました.今年はじめての揖保川観測です.この研究課題を担当する前羽君,浦野君と一緒でした.また,このたびはDS課題の森本君も応援に来てくれました.

4月12~13日にかけて少し大きな出水があったためでしょうか.予想以上に河床変動が大きかったのが印象的でした.

観測直前にも雨があり,全般的にこの4月は降水量が多いようです.流水水温や電気伝導度などの水質項目にも,その影響が反映されていました.

水はまだ少し冷たいものの,上の写真にあるように日曜は快晴で,ひじょうに爽快な気分になれました.

今年は揖保川流域を観測しはじめて5年の節目です.今年はぜひ河川水温を軸にした流域水環境の評価手法を確立するように頑張りたいと考えています.

2010年4月18日

Guidance

春をむかえ、大学では新しい学期がはじまりました。わたしは今年度、市民工学教室の教務学生委員を担当していて,新入生をふくむ一連のガイダンスなどのお世話をしました。

わたしたちの市民工学教室では、学部のフレッシュマンから大学院博士前期課程の入学生まで、なんと約二週間で五つのガイダンスがあります。教学委員にとってはまさに驚愕の、怒涛の二週間でした!

例年は報告を聞くのみであまり気にならない春ガイダンスです。このたびは担当して、やはり色々と思うところがありました。

これらガイダンスの良いポイントは文字通り、春一番にその学年の道案内をすることですね。【短期的にみると】、このガイダンスや後につづく担任面談によって、学生の皆さんはほとんど何も気にすることなく、学生生活を過ごせるようになると思います。

一方、気になったのは、こういったガイダンスが【長期的にみると】学生の自立を妨げていないのでしょうか? ということです。みずからが大学生活を積極的にマネジメントし、うまく生きていくことはその第一歩と思われます。

ガイダンスが必要なことは大学や社会の現状をみると論をまちませんが、その一方で、学生のみなさんには是非とも、自ら判断して責任ある行動をする実力をつけてもらえることを、秘かに期待しています。

2010年4月2日

April, 2010

4月、卯月(うづき)がやってきました! 寒暖をくりかえしながらだんだんと暖かくなっていきますね。

この4月1日より一年間、わたしは神戸大学市民工学教室の教務学生委員のお役目をいただきました。昨年の年度末から助走期間があり、いろいろと準備をはじめていたのですが、これから本格始動です。4月1日は新4年生の研究グループ配属の調整を行いました。

わたしたちの市民工学科では、学生のみなさんは4年生になると研究室に所属します。そして卒業研究という形で研究活動に参画します。いままでは教育機関としての大学サービスを受動的な形で受けていました。これからは研究機関としての大学の活動に能動的にかかわることになります。

研究は、社会に対して大学が責任をもっている本質的な機能のひとつです。人間が本来的にもっている好奇心を互いに触発しながら、わたしたちはその責任を果たしていくべきだと考えます。

これは感想ですが、今回の4年生配属のお手伝いは、ほろ苦くもあり、たいへん面白くもあり、でした。昨日のお昼、大学食堂でProf. Aの勝者のお言葉をきいて、がちんこ戦略のトラップにまんまとひっかかったことに気づかされた次第です。

さて、この卯月のテーマは、【できることからコツコツと】にしたいと思います。

2010年3月24日

Farewell, March 2010

わたしたちの研究グループでは先週、追い出しコンパが行われました。

このたびは、大学院博士前期課程に在籍する橋本翼君と門田朗君の
おふたりが、わたしの研究グループを卒業します。

ふたりとは研究活動やゼミの様々なイベントをとおして、3年という月日を一緒に過ごしてきました。橋本君は【流域統合管理】の課題を、門田君は【河川段波伝播】の課題を、それぞれ真摯にうけとめて責任をもって研究を展開していってもらえたと思います。今後、解決すべき課題もおおいですが、ある一定の成果が得られたのではないかと考えています。これらの成果は、論文という形で社会に還元する予定です。

橋本君、門田君、おふたりの今後の充実した人生を願っています。

2010年3月14日

Kako River Vegetation

この土曜日,河道樹林帯の定期観測に加古川まで出かけました.この課題を担当する盛岡君,そしてお隣の道奥研究グループ,明石高専の神田研究室のみなさんと一緒です.

このたびは,主に砂州上に繁茂する柳の位置,樹高,樹径などの計測を行いました.砂州上を一日歩きまわって,左右岸で170本程度を調査しました.

右の写真は,Google Earthで,加古川の観測サイトにビューーーンとひとっ飛びしたものです.

現在わたしたちは,このような河道の樹林帯が時間をかけて,どのように成長や流亡を繰り返すのかを予測する数理動態モデルを開発中です.このたびの観測を含め,定期観測で得られる植生データは,このモデルの構築にいかされます.

この研究課題では,【普段みられる河川の生態系】と【洪水時の人びとの安全・安心】,この両者のよりよい共生のあり方を真摯に考えます. 【流域環境】の視点を念頭において,河川植生と洪水流のあいだの経年動態をしっかりと評価していきたく思います.

2010年3月8日

March, 2010

はやいもので,3月,弥生(やよい)になりました! 飛ぶように時間が過ぎていきますね.

例年,3月上旬のこの時期は,水工学講演会という学会に参加しています.水の研究者・専門家が集まる学会です.今年は,3/3~5の3日間,北海道大学で開催されました.

わたしの研究グループからは,2件の発表を行いました.これからの研究活動のヒントになるような議論もできて,大変意義がある学会でした.【流域環境】の研究課題,ぜひとも頑張っていきたいものです!

写真は,北大キャンパスのワンシーンです.神戸を出かけるときはポカポカ陽気だったのですが,北海道は雪がチラチラしていました.しかし地元の人によると,これでも経年的には雪が少なくなっていってるとのことで,温暖化が連想されます.

さて,今月のテーマですが,【ペースを守る】にしたいと思います.

2010年2月28日

Master and Bachelor Theses 2010

2月が逃げていきました.大学の研究室では、秋から本格化した新たな研究活動が一つのクライマックスを迎えています! 冬の修士学位審査・卒業試験の季節です.

私の研究グループでは橋本翼君と門田朗君のふたりが修士の学位取得を、盛岡淳二君,前羽洋君,森本皓一君,米田誠也君の4人が学士の学位取得をそれぞれ目指し、公聴会・審査会卒業試験にのぞみました.

みなさん、それぞれに精一杯頑張って研究を楽しんだことと思います.内容に関して、修士のお二人はそれぞれ、少なくとも一つ以上、非常に面白いと思える成果を導き出してくれたと感じています.学部の皆さんは、これから始まる大学院での研究活動のきっかけが得られたのではないでしょうか?

この冬を乗りこえると、みのり多い収穫の季節です.私たちの研究グループでも、得られた成果をきっちりと社会に還元していきたいと考えています. 

2010年2月2日

February, 2010

2月になりました! まだまだ寒い日が続きますね。

朝、阪急電車の六甲駅に着くと、いつも心に葛藤を覚えます。直進するか、左に曲がるか、です。直進は歩いて、左折はバスで大学に登っていくことになります。

特に、雨が降っていたり前日の疲れがのこるときは、左のほうに誘惑されそうになります。それでも、運動、運動、と思ってまっすぐ進むと、何のことはないのです。一気に大学の研究室まで登っていけます。

みなさんも、いろいろな場面で同じような心もちになったことはないでしょうか? 実際にやってみたら何でもないのですが、最初の心の壁が案外とおおきかった経験です。

さて今月、如月のテーマは【案ずるより産むが易し】にしたいと思います。

2010年1月30日

Lecture

大学では後期の講義がおわり、これから補講・試験期間に入ります。今期のわたしの担当は、学部2年生の管路・開水路の水理学および演習、同3年生の海岸工学、それに修士1年生の技術英語でした。

大学の【講義】は高校までの【授業】と違って、【学生】にどれだけ当該学問体系の醍醐味や面白さを伝えられるかに重点があると思っています。それは、わたしたち大学人が教える対象が、教師に指導される立場にある小学校の【学童】や中学・高校の【生徒】と違い、【学生】と呼ばれ、自ら学ぶ潜在能力をもつ人たちだからです。言葉あそびのようですが、【】には大切な意味の違いが隠れていると感じます。

わたしが【学生】だった頃、豪快な夢を語る教授が大勢いました。講義内容の詳細は忘却のかなたです(笑)が、その夢の部分に土木という学問体系のスケールの大きさを感じたように記憶しています。

さて、わたしの講義はどうだったのでしょう? わたしの担当する講義は水工学(すいこうがく)の学問体系のうち、いわゆる【基礎学理】の部分にあたります。豪快な夢、とまではいかないまでも、いろいろと工夫して水工学が少しでも好きになるような講義をしていきたいと思います。

2010年1月10日

In a Refrigerator

近頃、寒さが非常に厳しいですね! 北半球では各地で寒波到来の様子です.皆さんも防寒に気をくばり,風邪などひかないようにご注意ください.

さてこの寒波,Earth Observatoryの記事によれば,北極と中緯度地方の気圧差が関係しているそうです.

北極には低気圧が,中緯度地方には高気圧が発達するのですが,年によってその高低差の強度が変動するとのことです.この現象はthe Arctic Oscillationと呼ばれています.

今冬は高低差が非常に弱まった年で,北極地方の寒気が全般的に中緯度地方に流れ込んできたとのことです.反対に,グリーンランドなど局地方は中緯度地方からの温気が入ってきて,平年より気温が高いようです.

このようにシステム全般を俯瞰的にみると分かってくることが数多くあります.総合的・統合的にものごとを観察することは,現象の理解に本質的だと感じます.

2010年1月4日

January, 2010

あけましておめでとうございます。年が明けて2010年がはじまりました!!

今年は私自身のメインテーマ、【流域環境】の研究課題について、いろいろと内容を発展させていく年になります。

流域を存分に満喫したいと思っています! みなさま、どうかお力添えをよろしくお願いいたします。

今年のテーマは【つむ】にしたいと思います。また、今月、睦月のテーマは【よそ見せず、浮気せず】です。