2009年9月30日

Environmental Conservation and Disaster Reduction

久しぶりのブログです。9月は、学会、加古川および揖保川の流域観測、原稿作成などと、ほんとうに飛ぶように時間が過ぎ去ってしまいました。

右の写真は9/11-13の揖保川観測のワンショットです。8月の大きな出水によって、それまで青々と生茂っていた河川植生が流失しました。河道地形も大きく変化し、ゴロゴロとした玉石の礫河原になっています。わたしたちが流域の水環境をモニタリングするために設置している水温計も、本川を中心に数多く流失してしまいました。

このように流域に出かけて観測調査を行うと、このたびのような洪水も、平時の穏やかな川の流れも、そして渇水のときも、まるごと河川環境・流域環境なのだと実感します。自然はそのような区別はしませんものね。

わたしたちが自らの住む【流域の環境】を考えるとき、生態系などの自然環境を議論するときに常に洪水災害のことを考え、逆に、水害のことを考えるときに生態環境に想いを馳せる。そういう風に環境と減災を一体的に考える思考が、これからの流域環境を保全/管理する上で大変重要になると感じています。

2009年9月4日

September, 2009


9月です! 少し暑さは和らいできたようですが、皆さんはどうお感じでしょうか?

8月はいろいろありました。最後の週末には研究グループで毎年恒例のゼミ旅行に出かけました。今年は一泊二日で【四国三郎】、吉野川流域です。 吉野川は流域面積3,750km2、幹川延長194kmの一級水系です。

一日目。岡山から瀬戸大橋をわたり香川から四国に入りました。空海の満濃池、重文の豊稔池堰堤を見てまわり、夕方には吉野川上流の大歩危・小歩危に到着です。二日目、大歩危でラフティング、かずら橋、小便小僧とまわり、徳島、淡路島、明石大橋を通って神戸に帰ってきました。たいへん盛りだくさんのゼミ旅行でした。

特に、吉野川でのラフティングが大変面白く、川の流れを実際に体感できたこともあって、とてもよかったです。ガイドさんと川のお話を少ししたのですが、ウェイクや死水域での流れの特性をよく把握されていて、せん断層のことをエディーラインと表現してました。職業上当然のことなのでしょうが、特徴ある流れや危険な場所は把握しているようで、感心しました。

当日は快晴で、吉野川の流れを十分に満喫できました。皆さんも機会があれば、一度ラフティングを楽しんでみてはいかがでしょうか? 楽しいだけではなく、安全がある程度確保された中で、自然の流れの力強さや怖さなども体感できると思います。

さて、この9月のテーマですが、【集中力】にしたいと思います。

2009年8月24日

Storm Disaster

台風9号が兵庫県に非常に大きな爪痕を残してから半月が経過しました。報道機関などの情報からも、被災地はまだ復旧に向けて混乱の中にあることがわかります。鋭意実施されている復旧復興が順調に進むことを願っています。

右の写真は被災後、少し時間をおいてから現地を回ったときの一枚です。佐用川、千種川の沿川、揖保川の上流区間を、出来る限り復旧の妨げにならないように気をつけながら、一日かけて河川災害の状況を見ていきました。多くの方が亡くなられた佐用川、橋が流失して人々が孤立した福知渓谷の周辺は特に、洪水の痕跡や河川の側岸浸食の様子からも豪雨水害の凄まじさが推し量られます。

同時期の台風8号による台湾の大災害、先月豪雨による山口県の土砂災害など、各地で豪雨被害が続いています。一つひとつから教訓を学び、いざというときに命が守れるように、私たちみんなで危険情報の発信や共有をおこなうことの大切さを、現場に立って再認識しました。

2009年8月6日

AIC

本日の夕刊に、赤池弘次先生が二日前にお亡くなりになられたとの記事が掲載されていていました。81歳とのことです。

AIC(Akaike's Information Criterion) - 赤池情報量基準。

統計モデルを扱った方なら誰しもがご存知のこの指標。AICはモデルの良さを評価するための、たいへん有名そして有用な指標です。モデルの単純さとデータへの適合度との間のトレードオフを、合理的に解決するための基準を与えてくれます。わたしも流域水温や流れのデータ解析をするときに非常に恩恵を受けています。

赤池先生のご冥福を心よりお祈りいたします。

2009年8月4日

Kakogawa River, August 2009

近畿地方でちょうど梅雨が明けた先週末、兵庫県ではかなり纏まった雨が降りました。

右の写真は加古川における出水状況です。土曜日の午後、ちょうど水位がピークを迎える時間帯のワンショットです。この時点ではすでに青空になっていることがわかると思います。流域上流に降った雨が、河川のネットワークを伝ってここまでたどり着くのに時間がかかるからです。

このブログでも紹介していますが、この場所はわたしたちが河川内の樹林帯と出水時の流れの関係を現地観測しているサイトです。このたびの出水では写真にみられるように、砂州上の樹林帯にかなり流れが入ってきていました。

今週末と来週、出水後の樹林帯や河道の状況を調査し、設置している流速計や水位計のデータを回収するために、加古川に出かける予定です。出水時における樹林帯まわりの流況が的確にデータに表れていることを期待しています。

2009年8月1日

August, 2009

今日から8月ですね! 晴れた日の入道雲を見ていると、梅雨の長雨ももうすぐおわりそうで、あつい夏を迎えそうです。

大学では講義と試験がおわって夏休みになります。わたしの研究グループでは4年生は大学院入試、大学院生は研究の本番を迎えますね! 

わたしも、やるべきことはたくさんありますが、目の前にあることから一つひとつ焦らずクリアしていきたいと考えます。この8月のテーマは【もう1つの夏】にしたいと思います。

2009年7月23日

Visualization Symposium 2009

三連休あとの火曜日と水曜日、東京の工学院大学でおこなわれた可視化情報シンポジウム2009に参加してきました。このたびは、【ウェーブレットと知的可視化の応用】というセッションで発表/司会/コーディネートをしました。

発表題目は、【流域の流水水温と気象・水文量の相関性に関する多重解像度解析】です。現在、継続してモニタリングしている揖保川の河川水温を解析したものです。ウェーブレット解析はデータ分析手法のひとつで、スペクトル解析や主成分分析などと同様なカテゴリー(Karhunen-Loeve expansion)に属します。

この学会のおおきな魅力のひとつは、【可視化】というキーワードを軸にしていろいろな分野の人びとが集まって議論が展開されることです。非常に学際的な雰囲気で、楽しめます。

このたびは20周年のイベントがあって、NHKのプロフェッショナルでご存知の脳科学者、茂木健一郎さんが特別講演をされていました。

皆さんもご経験があると思いますが、見えないものを可視化して一つの図や写真、あるいは映像にまとめると、ハッと気付かされることがあります。わたしのテーマである流域環境の研究課題も、その成果を一枚の図面でシンプルに纏められるように、鋭意努力したいと考えます。

2009年7月16日

River Basin Observation in July 2009

先週の土曜日と日曜日、水温モニタリングを行っている揖保川流域に出かけてきました。この研究課題を担当する中山君、前羽君と一緒です。

このたびの観測では、流量は普段と比べて多く、さすがに梅雨の時期であることを感じました。写真は、揖保川下流近くの頭首工(とうしゅこう)の一部です。頭首工は農業で使う水を川などから引き入れるための施設の総称です。雨のあとということもあって、この頭首工も水を満々と貯めていました。

揖保川には、農業をはじめとして人が利用するために取水する、頭首工や井堰のような施設が大小150以上もあるとのことです。川がしゃべれるのであれば、「おーい、みんな。ちょっと取りすぎとちゃいますか?」といわれそうですね。

これからの季節、青々とした水田を潤すために揖保川からも多くの水がひかれます。毎日おいしく食べているお米の生産が、目に見える形で始まる季節でもあります。川にある堰をみて毎日食べているご飯を思い浮かべることなど、なかなかに難しいことでしょう。このような身近な日々の営みと自然への負荷の関係を、ぱっと見てとれる便利な装置があればよいのにな、と思います。

2009年7月7日

Professor Hirofumi UZAWA

昨秋、たいへん有難いことに、日本を代表する経済学者、宇沢弘文先生にお会いする機会がありました。土木学会関西支部のFCC(フォーラム・シビル・コスモス)という活動の一環です。

宇沢先生には、非常にお忙しいなかお時間をいただき、【社会的共通資本と土木】と題したFCCのフォーラムで特別講演を頂いております。

宇沢先生の提唱されておられる【社会的共通資本 Social Common Capital】、ご存知の方も多いと思います。みなさん、きっと共感する部分が大きいのではないでしょうか。

フォーラムの内容はこちらからご覧いただけます。ご興味のある方は是非どうぞ!

2009年7月1日

July, 2009

今日から文月(ふみづき)、7月ですね! カレンダーでは今日から後半戦。早いものです。

この文月の由来は諸説ある中で、七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝す風習があるからというのが定説だそうです。

七夕に詩歌。そういえば家の子供も今日、短冊を作っていました。わたしも子供の頃、父親に取ってきてもらった笹竹に、夢を書いた短冊をぶら下げたことを思い出しました。いわゆる田舎の子供で、田んぼへ向って満々とながれる水路に笹舟を流して競争させたり、夜にホタルを取りに友達と水辺に出かけたのも、この時期だったと思います。

そんなことを思い出しながら、この7月のテーマは【あせらず楽しむ】にしたいと思います。