2015年4月18日

EGU 2015 in Vienna, Austria

めっきりと春らしくなってきた4月中旬、わたしは今、オーストリアのウィーンに滞在しています。EGU(European Geosciences Union)のGeneral Assemblyに参加して研究成果を報告するためです。

発表内容は、河川植生に関する研究課題です。日本では河川環境を管理する上で「河川の樹林化」といわれていますが、その樹林化現象に関するモデル解析の成果になります。発表は木曜午後で、ポスター形式での発表でした。剣道有段者で植生水理が専門のドイツ人、土砂輸送が専門のフランス人、イギリス人、日本人、スペイン人など、ポスターの前に立ち寄ってもらったみなさんと有意義な議論ができました。

「河川の樹林化」の課題は、大雨のときに洪水を安全に流下させる治水と、ふだんの川らしい生態系を保全する環境管理とのあいだで、「より良い川のかたち」は如何にあるべきか?を議論するものです。これには当然、河川流域の水文・物質循環がからんでいて問題が複雑になっているのですが、その謎解きを一歩一歩するのがこの研究課題の最大の面白さです。

今回の成果はきちっとJournalに投稿して、河川の樹林化現象に対する議論を前に進めていきたいと考えています。