2009年2月21日

Presentation Practice for University Graduation Thesis

昨日の午前中、研究グループの学部4年生を対象に、卒業研究の発表練習を行いました。予定の時間をはるかにこえて、2人で3時間程度の練習でした。ふたりとも研究の内容は、努力の甲斐あって4年生に期待されるレベルに到達していたと感じています。

一般に私たちのまわりでは、卒業研究は学会講演会の口頭発表レベル、修士論文は査読付論文1本、博士論文は査読付論文3本のレベル、といわれています。そういう意味で、卒業研究は、卒業のための必修単位であるのですが、同時に、(学士の)学位請求論文でもあると思います。

初めてですので、ふたりともプレゼンテーションのテクニック、卒業論文における論理的な文章構成や考察力などは、修士の学生さんに比べるとまだまだです。しかし、これらの点は今後、大学院の勉学においてコツコツと毎日努力を続ければ、自ずと実力がついてきます。一朝一夕ではなく、時間をかけることによって、いつの間にか思いもかけず付いてくる類の能力だと思います。時間をかけるためには、自身の研究課題や学生生活を自ら楽しむことがとても大切になってきますね。

月曜日は卒業試験の本番です。修士論文審査会のときもそうでしたが、ふたりのこれまでの努力に敬意を表し、立派に成果発表することを期待しつつ、わたしも精魂こめて全力で試験を行いたいと思います。

2009年2月16日

Master Thesis Presentation

今日は一日、神戸大学大学院工学研究科市民工学専攻の修士論文の公聴会でした。私の関係する修士論文はふたつあります。揖保川流域の河川水温の研究課題と、加古川河道内樹林の研究課題です。それぞれの研究課題を担当する学生さん、ふたりとも立派に発表していたと感じました。

流域河川水温の発表では、将来の河川水温に対する気象変動への影響評価のところに質問が集中しました。割合うまく答えられていたのではないかと思います。渇水や洪水などの極値に対する検討や風の影響についての質問は、研究全般のフレームワークの理解がもう少し高ければ、うまく受け答えできたのではないでしょうか。

河道内樹林の発表では、樹木倒伏の確率評価のところに興味が惹かれました。ただ、いろいろとあって、今年度は予定していた河川流速の現地観測ができませんでした。その点、担当した学生さんも残念だったのではないでしょうか。私も、彼の研究に対応して、自身に与えられた課題を進めていきたいと思っています。

一日あけて水曜日は審査会です。時間は限られますが、どんな議論ができるか非常に楽しみです。ふたりの努力に敬意を払うべく、精魂こめて全力で審査したいと考えます。

2009年2月12日

Forest, River and Basin


今週の月曜日、流域の河川水温を継続してモニターしている揖保川に出かけてきました。今回は定例の水温観測ではありません。昨年、ある学会でお世話になった兵庫県森林林業技術センターの研究者、山瀬さんにお会いするためです。揖保川の森林域をいろいろとご案内いただきました。いつもと違った角度から流域がみれて、とても勉強になったと感じます。また、わたしたちの流域河川水温の研究課題についても、センターの研究者の方々を交えてお話ができ、たいへん有意義な情報交換の場になりました。山瀬さん、どうもありがとうございました。

この写真は、ご案内いただいた森林のワンショットです。この部分は間伐のタイミングを逸してしまった状態とのことです。いろいろと観点があるようです。揖保川流域は83%が森林ですので、その状態の良しあしが河川環境におおきく影響することが容易に想像されます。今まではそれほど意識していなかったのですが、これからの観測ではサイトのまわりを囲みこむ森林を意識しながら、流域を観測していきたいと思います。

2009年2月3日

Kakogawa River


今日昼下がりの小雨のふる中、加古川河口から約23km上流の河道に行ってまいりました。今年度からスタートした加古川の河道内植生に関する研究会です。この研究会では、河道内で繁茂する樹林など植生群落と、河川流れ、特に出水時の洪水乱流との関連を学術的に検討します。植生の成長過程を含めた河川の生態環境と、わたしたちの日々の暮らしを守る治水機能の共生の道筋をみいだすことが目標です。神戸大学でお隣の研究室の道奥康治教授と明石工業高等専門学校の神田佳一教授との共同研究です。今年の梅雨前から流れの流速をADCPという機器で計測する予定です。