2011年12月21日

December, 2011

師走も終わりに近づき、年末真っ只中です!

今月は、サンフランシスコでの学会と東京出張が2回あり、バタバタとあっという間に時間がすぎて行きました。

いろいろと研究の情報交換や仲間作りができて、十分に楽しめたと思います。いろんな人から刺激を受けて、自分自身の【流域環境】に関する研究も、少しづつですが、焦らず着実に進めていきたいと思っています。

今日で年末までの講義も終わり、明日は研究室の中間発表の後半です。師走ですね〜。

もう2/3が終わってますが、今月のテーマは、【波に乗りきる!】にしています。

2011年10月25日

Nagoya University

今週の月曜日、お誘いいただいて名古屋大学の環境学研究科で一コマ、講義をしてきました。タイトルは【流域からみた河川環境】です。

講義対象には学部の学生さんも含まれていたので、できるだけ平易な内容を心がけたつもりです。流域環境に関する研究課題の面白さが少しでも伝わっていれば嬉しく思います。さてさて、どうだったのでしょうか?

午後は、名古屋大学の水理研セミナーでお話しをさせていただきました。内容は、【河道内樹木の動態評価モデル】です。戸田先生、田代先生、尾花さんをはじめ、名大のみなさんといろいろと議論ができて、ほんとうに楽しい時間が過ごせました。

学会発表や研究会とちがって、このようなスタイルの情報交換も面白いということを実感しました。

2011年9月2日

September, 2011

いつの間にか8月も終わり、9月に突入してしまいました。

今年度、わたしは専攻の入試事務を担当しています。2006年度に続き、今回が2回目の担当です。

8月22~26日は入試事務のメインイベントでした。博士前期課程入試(昔の修士課程のこと)、学部の編入学試験、博士後期課程入試(昔の博士課程)がつづいて実施されました。

今年の博士後期課程入試には、わたしの研究室を志望する社会人学生の方も受験していました。良い結果がでて、是非とも来年度から一緒に研究をスタートさせたいものです!

今月のテーマは、【リハビリ】にしたいと思います。ペースをつかみます。

2011年8月12日

Ohta River

太田川は、流域面積が1,710km2、主流の流路延長が103kmの一級河川です。わたしたちが河道植生をモニタリングする加古川(1,730km2、96km)とほぼ同規模の河川流域です。

今夏の研究グループゼミ旅行は、この太田川流域に決まったようです。大変楽しみです!

この太田川の源流は、中国山地の冠山(標高1,339m)です。流域の土地利用は、その約90%が森林となっていて,上~中流では谷底平野に集落と農耕地が分布しています。また、河口域の下流部は、中国地方の中枢都市、120万人の人口をもつ広島市を貫流していて、立派な三角州が発達しています。

急峻な上流域では【三段峡】などの名勝をはじめとする渓谷の大自然が、河口部では優雅な太田川本川の【基町護岸】など都市の河川景観が、大変魅力的だと思います。この基町護岸は、2003年の土木学会デザイン賞特別賞を受賞していて、1980年代前半に整備された河川景観設計の秀作です。


さて、今月のテーマですが、【時間確保】にしたいと思います。夏バテしないように頑張ります!

2011年7月4日

Brisbane, Australia

オーストラリア・ブリスベンで開催された国際水工学会(IAHR)世界大会に参加し、研究発表をしてきました。

このたびは、研究室の大学院生、前羽洋君、森本皓一君と一緒です。

発表内容は、それぞれ、河川植生動態モデル(宮本)、流域水温解析(前羽)、段波解析(森本)に関しての、中間報告的な研究成果です。

口頭発表や質問の受け答えを含め、学生諸君はいろいろと勉強になったことと思います。是非とも、いろいろな意味で、今後の研究活動に役立ててくれることを期待しています。


さて、今月7月のテーマですが、【纏める】にしたいと思います。頑張ります!

2011年7月3日

Professor Yano

恩師のおひとりである箟源亮(やのもとあき)神戸大学名誉教授が、去る6月29日、ご病気のためにお亡くなりになられました。

箟先生には、学生時代は直接的に研究をご指導いただけませんでしたが、人との付き合いや一般的なモノの見方などを、さまざまな機会をとおして、陽に陰にお教えを頂きました。

研究ではうまくいかない場面に遭遇することのほうが多いのですが、そのようなとき、あれこれと悩むよりも、一番可能性の高いものから順に検討していきなさい,とアドバイス頂いたのを思い出します。

箟源亮先生のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。

2011年6月11日

June, 2011

6月、水無月(みなづき)になりました! 梅雨や田植え時期なのに水無月。諸説あるようです。

さて、今年も梅雨がやってきました。気象庁の速報によれば、今年の梅雨入りは平年より12日、昨年より18日も早い5月26日頃とのことです。

このジメジメとした湿気の多い季節、アジアモンスーンの影響を受ける日本では例年のことですね。

この梅雨にある程度の雨が降らないと夏の水不足が心配されます。一方で、一時の大雨による洪水には細心の注意が必要ですね。自然相手のことなので難しい面がありますが、いづれにしてもこの時期、大きな水害にならないようにみんなで用心することが大切ですね!

さて、今月、水無月のテーマですが、【軌道にのる】にしたいと思います。

2011年5月3日

May, 2011

皐月(さつき)になりました! だいぶ暖かくなってきて、梅雨前の過ごしやすい季節になりましたね。

このゴールデンウィークの後半は、不具合のある揖保川水温観測システムの復旧で時間を使っています。揖保川は流域面積が約810km2あり、その水源から河口まで満遍なく水温プローブを設置しています。このたびは時間をあまり気にせず、ゆっくりと確実に流域を廻って、30か所に設置しているプローブをひとつひとつ丁寧にチェックしています。

この写真は、先日のblogでレポートした揖保川の支川、林田川上流部における渓流河川の様子です。同じアングルからの撮影です。普段の流れはこのように穏やかなものです。

しかしながら、前回の出水による土砂堆積がものすごくて、ここではプローブを設置していた大きな淵が埋まってしまっていました。それほど珍しくない出水規模だったのですが、それでも渓流地形が劇的にかわっていました。自然が垣間見せるエネルギーの大きさをここからも体感できます。

さて、今月皐月のテーマですが、【初心に戻る】にしたいと思います。

2011年4月25日

In the Rain

2006年4月より精根こめて集めていた揖保川水温データが途切れてしまいました。このたびは出水でプローブが流失したのではなく、研究者としてのわたし自身の至らなさ・甘さが災いしたものです。これまで協力頂いた学生のみなさん、ごめんなさい。悔やんでも悔やみきれません。初心に帰って、研究姿勢を正します。

2011年4月24日

Ibo River Observation, April, 2011

昨日、今年度はじめての揖保川流域観測に出かけました。この課題を担当する大学院生の前羽君、浦野君と一緒です。

一昨日から続く降雨で水系全体が増水していて、このたびの観測では水温データは殆んど回収できませんでした。

この写真は、揖保川の支川、林田川上流部における渓流河川の様子です。濁流がすごい勢いで流下していくのがよくわかります。このように出水時には水のみならず、土砂や栄養塩が大量に下流に輸送されていきます。

すごく大雨が降ると洪水となって私たち人間にとっては非常に厄介ですが、河川にとっては自然がダイナミックに躍動し、動的な河川環境が保全されるようにビートを打つ瞬間でもあるのですね。

この流域観測も6年目に突入です。流域環境のモデル化を鋭意進めるとともに、観測については環境の経年変化を的確にとらえるために最低10年は流域にでかけるつもりです。次回の観測は五月の下旬、このたび廻れなかったサイトを中心に観測する予定です。

2011年4月22日

Vegetation Dynamics Modeling

加古川での河道内植生管理の共同研究が軌道に乗ってきました。わたしの研究グループでは、植生動態の確率過程モデルの構築と、それを用いた流域規模での樹木消長の確率評価を担当しています。

実は、この理論モデルの基礎固めには思い出があります。

たしか2001~2年の頃、当時、大阪大学の水工学研究室に籍をおいていた名古屋大の川崎浩司さんとの勉強会です。1~2カ月に一度、夕方からJR大阪駅前のホテルの喫茶店で、巌佐庸先生の数理生態学をtextにして、式の誘導を含めて読み込んでいったものです。

これにはもう一つ、あとの飲み会という楽しみもありました。ビールを片手に、これまた色々と勉強させてもらいました。

その勉強がおおよそ10年のときを経て実りはじめました。そのときは基礎勉強とおもってやっていましたので、思いもかけず、不思議なことですね。

2011年4月11日

Watershed

日本列島の降水を日本海と太平洋にわける中央分水界。その本州で最も低い部分が兵庫県丹波市氷上町石生(ひかみちょういそう)にあります。

この部分の中央分水界は氷上盆地をとおっていて、「谷中分水界(こくちゅうぶんすいかい)」と呼ばれます。日本山岳会の中央分水嶺踏査によれば、最も低い部分で標高約95mだそうです。

右の写真は、石生の「水別れ公園(みわかれこうえん)」にある分水界上の水路です。大変面白いことに、この写真の左矢印の方にいく水は由良川を流れて日本海へ、右矢印の方にいく水は加古川を流れて瀬戸内海へ流れでます。

分水界とは水がわかれる【最も高い部分を連ねた境界】のはずなのですが、それが標高100m程度と大変低いところが非常に興味深いですね。

この石生をとおして瀬戸内と日本海をむすぶルートは「氷上回廊(ひかみかいろう)」と呼ばれます。近代土木技術が発展する明治以前は、峠越えの苦労がないこの回廊を介して動植物や私たちの先祖が南北に行き交い、自然や社会が時間をかけて交絡していったようです。

2011年4月3日

April, 2011

4月、旧歴では卯月(うづき)がやってきました.卯の花が咲く頃なので、「卯の花月」とも呼ばれるそうです。

いま、日本の社会は東日本大震災により混乱が続いています。しかしながらその一方で、マスメディアなどの報道から、地域社会の復旧活動が力づよく展開されはじめたのも見聞きします。

わたしも日本の復興にむけて、いま自分自身のできる努力を着実に進めていきたいと思っています。

さて、新しい年度がはじまりました。大学にも新入生が入学し、研究室にも新4年生が入ってきました。今月のテーマは、【新たな心でスタートする】にしたいと思います。

2011年3月15日

The 2011 off the Pacific Coast of Tohoku Earthquake

東北地方太平洋沖地震で被災された皆さまに対しまして、心からお見舞いを申し上げます。時間がたつにつれて、報道・Webなどで明らかになってくる現地の惨状に言葉もありません。このたびの震災は、私自身の阪神・淡路大震災の記憶をまざまざと呼び起こします。わたしも、自らの学術専門性から出来る限りのことを支援していきたく考えています。

2011年3月10日

March 2011

3月、弥生(やよい)になりましたね!


この時期は例年、水工学講演会という水の研究者・専門家が集まる学会に参加します。このたびは3/8~10の3日間、東京大学生産技術研究所で開催されました。


わたしの研究グループからは、関連研究を含めて4件の研究成果を発表しました。発表を担当した盛岡君、前羽君、そして大地君は、いろいろと勉強になったのではないでしょうか。


わたし自身も昨日が発表でした。質問の受け答えを含めて、いろいろと課題がのこる発表となりました。質問の内容は、並列で検討している他の流域研究との関連性についてでした。それに対して、今回のモデルの特徴をすこし説明したのみで、流域ネットワークの確率評価モデルにつながる部分には言及できませんでした。まだ、自分自身でも頭の中が整理できていないことの表れだと思います。

発表のあと、今後のヒントになるようなコメントも頂けました。これらを今後の糧として【流域環境】の研究課題を着実にすすめ、成果を社会に還元していきたいと考えています。


この講演会では、小池俊雄先生の特別講演【気候変動下の河川・水資源管理を支える水文学】がたいへん印象的でした。


さて、今月のテーマですが、【初心に戻る】にしたいと思います。

2011年2月12日

Graduation Thesis

先のブログにも書きましたが、いま大学では修士論文や卒業研究の真っ只中です。

どんな人もこの時期は懸命に、真剣に、研究に取り組みます。それが結局はその人自身のポテンシャルを伸ばすことになり、また、そのような研究と教育が一体になったプログラムをもつところに、大学の真の価値があると私自身は考えています。

しかしながら、もちろん皆ではありませんが、最近そういう風に出来ないひとの割合が増えているように感じるのも事実です。妥協をかさね、自らを律することができない。自治のできない人に創造することは不可能です。

大学は、研究が第一義的に重要ですが、将来の社会を支える人材育成をになう大変重要な社会装置でもあります。しっかりとした考え方ができる人をたくさん育てられるように、真摯な研究活動を通して教育をきっちりと行っていきたいものです!

2011年2月4日

February, 2011

2月になりましたね。 今年度も残りわずか。大学の研究室では修了・卒業に向けて論文作成のまっただなかです。

今日は修士論文の締切でした。みなさん、納得のできる内容が仕上がったでしょうか!

手元には主査・副査をつとめる4冊の論文ファイルがあります。これからじっくりと拝見させていただこうと思っています。

例年、ここまでの内容は今一つでも、公聴会や審査会でのアドバイスや議論を通して、素晴らしく洗練される論文を少なからず見かけます。このたびも期待することにしましょう。

さて今月、如月(きさらぎ)のテーマですが、【波にのる!】にしたいと思います。

2011年2月1日

Flooding in Queensland

一月初旬、オーストラリア政府当局によると七日、東部沿岸を襲った豪雨によって大洪水がおきたとのことです。

この大規模洪水によって数千人規模で人びとが孤立し、クイーンズランド州など東部地域を中心に非常に困難な状況に陥ったようです。

この洪水については、洪水発生から時間も経過していますし、ニュースやウェブなどでご存知の方も多いと思います。

右の写真は、NASAのEarth Observatoryの記事からのものです.Webをみてもらうと、洪水が引いたあとの衛星画像も見ることができます。

それにしても、世界の各地で異常気象とそれに伴う被害が続きますね。有事に対応できるように普段から十分に気をつけておきたいものです。

2011年1月16日

SougiSui

昨年の年末、冬休みを利用して家族で奥飛騨を旅してきました。白川郷や新平湯温泉、新穂高、郡上八幡などです。

このたびは一泊二日の旅でした。神戸をでて岐阜に入るころには雪がチラつき、奥飛騨では大変な積雪量でした。わたしたちは旅のひと時を過ごすだけですが、それでも雪国の冬の大変さが十分に実感されます。

右の写真は、二日目に訪れた郡上八幡(ぐじょうはちまん)の湧水、宗祇水(そうぎすい)です。この名前は、室町時代の連歌人、飯尾宗祇がこの傍らの庵で湧水を愛用したところからくるようです。

この郡上八幡は長良川流域上流部に位置し、支川吉田川が傍らを流れています。宗祇水は環境省の名水百選にも選ばれているそうです。

2011年1月2日

January 2011

あけましておめでとうございます。新しい年が明けて、2011年がはじまりました!


今年も昨年に引き続き、【流域環境】の研究課題について、その内容をさらに発展させていく年にしたいと考えています。

流域を存分に満喫して、楽しんで研究を展開していきたいと思います! 私にお付き合いいただいているみなさま、本年もどうかよろしくお願いいたします。
 
さて、一年を通してのテーマですが、今年は【基本重視】にしたいと思います。また、今月、睦月のテーマは【取り敢えずまとめる】です。