2009年5月31日

Toga River Symposium

昨日の午後、神戸市灘区の区民ホールにて、土木学会主催の都賀川水難事故に関する市民対象シンポジウムが開かれました。昨年7月28日におきた水難事故に関する学会調査団の報告です。私もこの調査団の一員として調査活動に参加しました。

このシンポジウムは、市民のみなさんに調査内容をできる限りわかりやすくご報告し、さらに、同じような水難事故が二度とおこらないように、わたしたちみんなの意識をたかめて再発防止を図ることが意図されています。

シンポジウムは、事故要因の分析、参加・体験型のデモンストレーション、親水利用への提言の3部構成でした。200名もの市民のみなさんに、調査・分析結果や提言をお聞きいただき、さらに、都賀川模型や啓発CD-ROMなどを使って実際にデモや体験をして頂きました。

これから日本列島は梅雨が始まります。近畿地方では、昨年は5月28日ごろに、平年は6月6日ごろに梅雨入りのようです。 大雨になれば川は予想以上に一気に水かさが増えます。そうなる前に川を離れて、このたびのような水難事故が二度と起こらないように、社会全体で命を守っていきたいと考えます。

2009年5月18日

River Basin Observation in May 2009

先週の土曜日、揖保川流域にでかけました。河川水温の観測研究を担当する中山君、前羽君と一緒です。

今回の観測では当初、設定している観測点をすべてまわる予定でした。しかし、天候が思わしくないことから予定を変更し、昨年企画した源流水温観測点を新設しました。写真は、新たに設定した源流観測点のひとつです。

観測に最適なポイントを、急勾配の沢を登って探します。試行錯誤しながら、設定までにかなり時間をかけましたので、最後はたいへん疲れました。

それでも、こうして流域にでかけると、机上では考えられない色々な情報が得られます。今回は源流付近の流れや環境をずいぶんと見て歩きました。時間をかけて観測にでかける意義は、このような直接の一次情報が得られることにあると考えます。

今後、今回の源流水温を含めて、流域の水温挙動を解析するのが楽しみです。次回は7月に観測にでかける予定です。

2009年5月13日

The Lake Biwa Canal

ゴールデンウィークの後半、京都東山に家族で出かけました。琵琶湖疎水、南禅寺、哲学の道、銀閣寺、円山公園、八坂神社、清水寺などです。

写真は、蹴上のインクラインを登りきったところにある琵琶湖疎水のワンショットです。このたびはインクラインを登るのではなく、南禅寺の水路閣から疎水を上流へ歩きました。田辺朔郎博士の像がおとなりの公園にあります。

おおよそ一世紀前、京都は明治維新や東京遷都に伴って人がいなくなり、産業も衰退したようです。その京都のまちに活力を取り戻すべく、琵琶湖疎水は計画されたとのことです。灌漑、上水道、水運、発電など地域を総合的に活性化させる社会的共通資本の整備です。

琵琶湖疎水はいま、京都の人とまちに完全に調和しているように感じます。わたしたちの創る社会基盤はすべからく、このように100年の時を経てもなお、人びとの日々の生活に資するものでなければならないと感じました。

2009年5月1日

May, 2009

今日から5月です。風薫る、新緑の清々しい季節のはじまりです!

世間では、危険レベルがフェーズ5にあがったSwine Fluが話題になっていますね。このSwine Fluもそうですが、現在の世界経済の危機的状況、そしてIPCCなどで報告される地球規模の気象変動からも、世界が非常にコンパクトになっていることがわかります。

物理的には飛行機や船舶などの交通ネットワークによって、情報通信では世界中に張りめぐらされたインターネットWWWなどによって、まさしく世界が同期して動いているようです。

Think Global, Act Local、この言い古されたフレーズがほんとうに大切になります。便利であるとか、安いとか、そういった利便性や経済的な価値基準ではなく、わたしたちの子供をふくめ、将来世代が暮らす環境を持続的に守ること、そのことを基準にする。そして、それを基に一人ひとりが身近な日々の暮らしや社会生活を営む。

それをどう具体化したらよいのか? 私は浅学ながら自身の職業的専門性をよりどころに、【流域環境】という視点からその鍵を探していきたいと考えています。

この5月のテーマは、【リズムと実行】です。