2009年3月29日

River Basin Observation in March 2009

いつの間にか3月もおわりに近づいてます。定例の流域観測に、揖保川まで出かけました。この度もなにごともなく、流域全域の流水水温や電気伝導度などの水質項目と、河川水文量を観測しました。

右上の写真は下流の河原の風景、一方、右下は最上流、支川引原川の雪景色です。この一日違いの2ショットは、同じ流域に含まれるふたつの地点のものです。この間の河川長は約70km、高低差は約650mです。

この情景のコントラスト! なんともいえず、冬から春への季節の移りかわりを感じさせます。 下流では、菜の花の香りが河川敷に漂い、さらに、山際には桜花も見られました。一方、上流では雪が舞い、凍てつく寒水です。

このたびは流量も多かったように感じます。暖かくなるこれからの季節、上流の雪解け水が流域に春の息吹を運んでくるように思います。 躍動的な春の季節がはじまりますね! 普段はそれほど意識しませんが、自然の水文(すいもん)循環も季節とともにリズムをもって変化し、わたしたちの日々の生活環境と密接に結びついているようです。

2009年3月25日

Farewells

今週前半は,Farewell Partyが続きます。月曜日は研究グループの修了・卒業をお祝いして、一方、昨日の火曜日は、わたしの所属する市民工学専攻で、お二人の技術職員のご退職にあたってのパーティーです。

技術職員のおふたりは、ともに35年という長きにわたっての奉職です。わたしも、学生のときのコンクリート実験にはじまり、水理実験、現地観測の車の手配、オープンキャンパス、それに、ちょっとした技術的なノウハウの数々、ほんとうにいろいろと教えていただきました。

長い間、本当にありがとうございました! 一度ご退職されて再雇用ということで、このあともしばらく大学の教育・研究にご協力いただけます。どうぞよろしくお願いいたします。

2009年3月22日

World Day for Water

今日は国連水の日です。1992年12月の国連総会本会議にて、毎年3月22日を国連水の日とすることが決議されたとのことです。また、このことは1992年の地球サミット採択文書Agenda21の第18章でも言及されているようです。

地球上を循環する水は、ほんとうに人間や地球上の生命に対して本質的なものだとおもいます。水は、水資源というように人間にとって欠かせない資源であり、また、循環の過程でいろいろなものを運びます。雨が多ければ洪水とよばれ、少なければ渇水となります。さらに、地球上のいろいろな生態系に対しても水は本質的な役割を担います。

神戸では、今日はあいにく一日雨模様です。雨が降りしきる空をみながら、今日は一日、このようにいろいろと重要な役割をあわせもつ【水】と、わたしたち人間の過去・現在・将来について、じっくり・ゆっくりと想いを馳せたいと思います。

2009年3月21日

Vernal Equinox

昨日は春分の日でした。日本では春のお彼岸ですね。花冷えはありますが、今日からは北半球のほうに太陽がよってきてぐんぐんと暖かくなっていきそうです。

地球をみわたすと、北極では今日からまったく太陽が沈みません。はんたいに、南極では太陽が昇らない期間が秋分まで続きます。ですので、そのどちらかにいると、わたしたちはその境を明確に認識できます。

しかし、日本にいて現代を生きるわたしたちにとっては、その境はなかなか微妙なもので、日頃の生活からは鋭敏には実感できません。わたしなどは、【春分】とカレンダーにしめされていることから、やっと認識している始末です。

むかしは、このような二十四節気も、わたしたちの日ごろの何気ない生活に密接に関連していたのだと思います。このような季節感と実生活のつながりを紡ぎなおすことが、自然と調和した、持続可能な将来社会をつくっていくように思います。

2009年3月19日

Campus Clean Day and Social Capital

昨日の午後、わたしの所属する工学研究科では清掃活動がありました。標題にあるとおり、キャンパスクリーンディという名前がついています。年に数回、午後の一時間、教職員・研究室所属の学生さんで、じぶんたちの普段生活する学舎・研究棟のまわりを美しくするといった活動です。

このまえもそうでしたが、秋からこちらの季節は落ち葉が非常に多いです。その落ち葉ひろいや溝掃除、ゴミ拾いといった非常に単純な作業なのです。

しかし、そのわずかの作業時間で、ふだんあまりしゃべらない他の研究グループの学生さんや教職員さんとちょっと話ができたりして、コミュニケーションがとれます。何でもない活動なのですが、それでも連帯感が紡ぎ直されたように感じます。

最近、ソーシャル・キャピタル、という言葉をよく耳にします。ひとと人の自発的な協調行動を介して、社会の信頼関係や規範、ネットワークをより良いかたちにし、豊かな地域社会や組織に導いていこう、というような概念のようです。あまり難しいことはよく理解できませんが、このキャンパスクリーンディといったような、ほんとうに身近な活動の中にこそ、ソーシャル・キャピタルを醸成する素地があるように思います。

来秋は、ぜひ落ち葉でおいしい焼き芋+ビールでもしたいものですね!

2009年3月7日

Conference on Hydraulic Engineering, 2009

3月4~6日、東京の芝浦工業大学豊洲キャンパスにて開催された土木学会水工学委員会主催の第53回水工学講演会に参加してきました。わたしの研究グループからは、以下の2件の論文を講演しました。

  1. 宮本仁志,橋本翼,道奥康治:河道位数を用いた土地利用と人口の流域分布モデルと流域間比較, 水工学論文集, 第53巻, pp.1105-1110, 2009.
  2. 宮本仁志,菅原康之,道奥康治:上・中・下流域における河川水温の形成要因に関する解析的検討, 水工学論文集, 第53巻, pp.1153-1158, 2009.

発表を担当してくれた菅原君と橋本君、ともに立派に発表していたと思います。もちろん、説明やディスカッションで、もう一歩至らないところも多々ありました。しかしトータルで見ると、セッションに参加していたの多くの人たちに,わたしたちの論文成果や研究の意図がうまく伝わったのではないかと感じています。

ひとつ目の論文では、3つほどキーポイントがありました。その最初のものは、流域各部での仔細にこだわることなく流域を一貫して大観的に解析するために、水系ネットワーク特性を表現する河道位数をベースに解析モデルを構築したことです。これにより、日本の109の一級水系においてさまざまに展開される土地利用や人口など社会環境状態が系統だてて表現され、統計解析ができることを示しました。さらに、その結果をもとにして、現在の社会環境状態をベースに109の流域を合理的に類型化しています。ご興味のある方は、ぜひ上記の論文をご参照ください。

ふたつ目の論文は、同じ流域一貫の環境課題に関する研究ですが、こちらは、わたしたちが河川水温をモニタリングする揖保川水系の観測結果をベースにした成果です。特に、この論文では、土地利用形態がことなる水系ネットワーク上の上・中・下流部を対象にして、流水水温の形成機構のちがいを熱保存式をもちいて検討しています。こちらも、ご興味ある方はぜひ論文をご参照いただければ大変ありがたく思います。

このたびも、ディスカッションやほかの講演プログラムを通して、わたしたちの今後の検討課題や考えるべきポイントを、いろいろと頭の中で整理することができました。特に、竹村公太郎リバーフロント整備センター理事長が特別講演された「川から見た江戸から東京へ」は面白く、いろいろと考えさせられました。今後の研究展開がとても楽しみになってきてます!

2009年3月3日

KushiKatsu and Beer


昨日の夜、修士論文、卒業研究、そして学会学術講演会の原稿投稿が終わって一区切りついたので、研究グループの学生さんたちと一緒に打ち上げをしました。旨いビールと串カツでした!

研究グループのみんなが頑張ってくれているおかげで、今年度はかなり流域研究が進展した気がします.きっちりと論文にまとめていきたいと思ってます。また、研究課題全体としては、目標とするところまでにはまだまだ道のりが長いので、焦らずコツコツじっくりと、一つひとつの課題を進めていきたいと思ってます。

ワイワイガヤガヤと楽しい時間をすごして、十分に充電できた気分です。また明日から頑張ろうと思います。

2009年3月1日

March, 2009

2月はいろいろとあって,やはり,逃げるように過ぎ去ってしまいました. わたしの研究Gの学生さん3名は,なんとかりっぱに修士論文・卒業研究を書きあげました.また,学会発表の原稿も今日までにほとんど仕上がりましたので,秋から本格化した一連の研究活動もやはり一区切りといえるのでしょう.明日は,修論・卒研・関支の研究G打ち上げが予定されてます.旨いビールと串カツ,是非みんなと楽しみたいと思います!

さて,3月のテーマです.私としてはいろいろとあるのですが,【まとめと計画】にしたいとおもいます.